会社の給料だけでは不安だと思ったとき、私が最初に選んだ副業はポイントサイトでした。
1日1時間ほどを2か月続けて、収入は月2,000円ほど。2か月で約60時間を使い、合計約4,000円だったと考えると、単純計算では時給100円にも届きません。
それでも私は、給料以外から初めてお金が入ったことをよく覚えています。
当時勤めていた医療用ガラス製品の工場では、年間4,000万〜5,000万円ほどの赤字が10年以上続いていました。求人票に書かれていた賞与は3.6か月。実際は0.8か月ほどで、3年以上昇給がない時期もありました。
私が怖かったのは、給料が低いことだけではありません。会社の状況を自分では変えられないのに、生活費の入口がその会社ひとつしかなかったことです。
この記事では、おすすめの副業を並べるのではなく、赤字工場で働いていた私がなぜ副業を始め、月2,000円の経験から何を考え、その後どんな依存先を移り歩いたのかをお伝えします。
年間5,000万円近い赤字でも、工場は翌日なくならない
会社の経営が苦しいと聞くと、すぐに倒産や解雇が起きる場面を想像するかもしれません。私が経験したのは、もっと静かな状況でした。
工場は古く、設備や作業環境も決して良いとはいえませんでした。年間4,000万〜5,000万円ほどの赤字が10年以上続いていても、次の日になればいつもどおり仕事が始まります。給料も振り込まれます。
一方で、製造した製品のうち、不良品が多いときには最大で3分の1ほどになることがありました。求人票では賞与3.6か月と書かれていたのに、実際は0.8か月ほど。昇給も3年以上ありませんでした。

リーマンショック後には取引先を5社以上失い、売上は10億円を下回りました。それでも、社員の立場でできることには限界があります。
赤字が続いていることを知りながら、毎朝出勤する。賞与が求人票より少なくても、次の給料日を待つ。私にとって会社への不安は、ある日突然始まったものではなく、こうした小さな違和感が積み重なったものでした。
納期直前の「自分で考えろ」で、会社任せにはできないと思った
副業を考える直接のきっかけになった出来事があります。
あるとき、納期が迫っている製品を外注先から受け取ると、不良品が混ざっていました。そのまま納品することはできません。しかし、作り直しを依頼すれば、納期に間に合わない可能性があります。
私は上司に状況を説明し、判断を仰ぎました。返ってきた言葉は「自分で考えろ」でした。
もちろん、仕事では自分で考える必要があります。ただ、その場面では品質を優先しても、納期を優先しても問題が起こる可能性がありました。判断する権限は十分にないのに、結果への責任だけは自分に返ってくるように感じました。
この会社を今すぐ辞めようと思ったわけではありません。むしろ、辞めれば給料がなくなるからこそ、簡単には動けませんでした。
会社に不満があるのに、会社から離れる選択肢を持っていない。その状態が、私には一番の不安でした。
私が転職より先にポイントサイトを選んだ理由
当時の私が最初に動けたのは、転職活動でも資格取得でもなく、インターネットで見つけたポイントサイトでした。
大きな決断をしなくてよく、在庫も必要ありません。仕事が終わった後、自宅で始められます。会社を辞めずに試せることが、当時の私には重要でした。
毎日1時間ほど作業し、2か月続けました。月の収入は約2,000円です。

効率だけを見れば、続けるべき副業ではなかったと思います。仮に2か月で60時間作業したとすれば、合計約4,000円なので、1時間あたりでは約67円です。
しかし、この約67円には二つの意味がありました。
- 会社以外からでも、自分の行動でお金は発生する
- 作業時間を増やすだけの方法では、会社員の収入源として大きく育てにくい
「副業で稼げた」というより、副業にも仕組みの違いがあり、選び方を間違えると時間だけを使うと知った最初の経験でした。
会社への依存を減らしたら、今度は広告媒体へ依存した
ポイントサイトの次に取り組んだのが、PPCアフィリエイトでした。2010年ごろ、Yahoo!広告から商品ページへ読者を集め、購入されると報酬が発生する方法です。
女性向け化粧品や健康食品を扱い、月の広告費は20万〜30万円ほど。確定報酬が約80万円になり、差し引き50万〜60万円ほどの利益が残る月もありました。
工場で働きながら、給料とは別にこれだけの利益が出たことで、ポイントサイトの月2,000円とは違う可能性を感じました。一方、成果が出るようになると、作業や収支管理は次第に雑になりました。
やがて広告規約が厳しくなり、出稿できる商品やキーワードが減っていきました。競争も強くなり、広告費に対して利益が合わなくなると、同じ方法は続けられなくなりました。
会社ひとつに依存するのが不安で始めたのに、今度はYahoo!広告というひとつの媒体へ強く依存していた。当時はそこまで整理して考えていませんでしたが、今振り返ると、収入源が増えただけで依存先そのものは残っていました。
月10万円のサイトも、43記事で0円のブログも経験した
PPCの後、2015年ごろには転職系サイトを作りました。保育士向けの記事を約100本、介護職向けの記事を約70本作り、月10万円ほどの成果が出た時期があります。
広告を出し続けなければアクセスが止まるPPCとは違い、公開した記事が読者を集める点に魅力を感じました。ただし、検索順位や紹介できる案件が変われば、収益も変わります。
その後ネットビジネスから離れ、2025年ごろにアドセンスブログへ再挑戦しました。4か月で43記事、1日1〜2時間ほど作業しましたが、1日のアクセスは30〜50ほどで、収益は0円でした。
PPCでは広告費を使って読者を集め、転職系サイトでは検索から申込みにつながる記事を作りました。ところがアドセンスブログでは、記事を書くこと自体が目標になり、誰を集めて、どこで収益が生まれるのかを理解できていませんでした。

月2,000円、月50万〜60万円の利益、月10万円、そして43記事で0円。金額だけを並べると上下が激しく見えますが、私にとって重要なのは、どの方法にも「何に依存して収益が生まれているか」があったことです。
- ポイントサイトは、自分の作業時間と用意された案件
- PPCは、広告媒体の規約と広告単価
- 転職系サイトは、検索順位と紹介案件
- アドセンスブログは、検索需要と広告収益
会社以外の収入があるだけで安心できるわけではありません。依存先が変わったときに、同じ方法を続けられるかまで考える必要がありました。
アドセンスブログで43記事を書いたときの失敗は、40代の副業ブログで収益0円だった実体験で詳しくまとめています。
44歳の今なら、副業名より「何に依存するか」を先に見る
私は現在44歳で、会社員を続けながらブログへ再挑戦しています。過去に成果が出た経験はありますが、「昔稼げた方法をもう一度やればよい」とは考えていません。
今なら、副業を選ぶときに次のことを先に確認します。
- 誰が、どんな行動をすると報酬になるのか。これを一文で説明できなければ始めない
- 収入が止まるとしたら、何が変わったときか。規約、検索順位、案件終了などの依存先を確認する
- いくらまでなら失敗できるか。PPCのように費用がかかる方法では、売上ではなく残る利益を見る
- 本業を続けながら検証できるか。会社への不安を理由に、先に給料を手放さない
会社員が副業を始める場合は、勤務先の就業規則や申請方法も確認します。厚生労働省の「副業・兼業と労働条件」でも、勤務先のルールを確認し、本業と副業の業務量や健康状態を管理することが案内されています。
これは「失敗しない4条件」ではありません。ポイントサイト、PPC、転職系サイト、アドセンスでそれぞれ違う失敗をした私が、次に同じ見落としをしないために見ている点です。
最初に決めるのは、月いくら稼ぐかではなく「何を確かめるか」
副業を始めるとき、「まずは月1万円」「将来は月5万円」と金額を決める人は多いと思います。私も、成果の数字に意識が向きやすいタイプでした。
しかし、最初の2か月で月2,000円だった経験から考えると、開始直後に確かめるべきことは金額だけではありません。
- 自分は仕事の後にも続けられるのか
- 報酬が発生するまでの流れを理解できるのか
- 作業時間を増やさず、工夫で改善できる余地があるのか
- その方法が止まったとき、別の経験として残るものがあるのか
月2,000円という結果だけなら小さいものです。それでも、会社以外からお金が入ることと、時間を売るだけでは大きく伸びないことを同時に確かめられました。私にとっては、その二つが次のPPCへ進む材料になりました。
まとめ:給料以外の収入は、会社から逃げるためではなく選択肢を作るため
赤字が続く工場で働き、求人票より少ない賞与や、3年以上昇給がない状況を経験しても、私はすぐに会社を辞めませんでした。
最初に始めたポイントサイトは月2,000円。その後、PPCで50万〜60万円ほどの利益が残る月もあり、転職系サイトで月10万円ほどの成果も出ました。一方で、広告規約の変更で続けられなくなり、アドセンスブログでは43記事を書いても収益0円でした。
この経験から、私は「給料以外の収入があれば安心」とは言い切れません。会社への依存を減らしても、広告媒体や検索順位への依存が強くなることがあるからです。
それでも副業を始めた意味はありました。会社の外で自分に何ができるかを試し、収入が生まれる仕組みを知り、次の選択を自分で考えられるようになったからです。
会社の給料だけでは不安だと感じたら、流行している副業名を探す前に、「自分は何から逃げたいのか」「その副業は何に依存するのか」「最初の3か月で何を確かめたいのか」を書き出してみてください。
私がこれまで試してきた副業と、現在ブログへ再挑戦している理由はプロフィールにもまとめています。
会社への不安を整理し、本業を残しながら副業を始めた経緯は、会社の給料だけでは不安だった私が副業を始めた理由で詳しくお伝えしています。
